漢方について、歴史や考え方を簡単に説明します。
漢方について

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漢方について



    
漢方について、歴史や考え方を簡単に説明します。

(1)歴史

  漢方は、中国の漢の時代(前漢−後漢、BC206-AC220年)に、薬草などについてのそれまでの知識や効能が整理されて、
 ほぼ今の原型ができました。「黄帝内経」、「傷寒雑病論」、「神農本草経」などの本が書かれ、
 今でもバイブルとして参照されています。
 日本へは、6世紀ごろに伝わり、室町時代、田代三喜が明より帰国し李朱医学を提唱してから、
 日本化が始まりました。その後江戸時代に鎖国により独自に発展しました。
 明治になると、医師免許は、西洋医学を修得した人だけに与えられるようになり、一時衰退しましたが、
 戦後、漢方薬に保険が使えるようになり、西洋医学を補完するものとして普及しました。
 中国では、西洋医学の影響を受けながら発展し体系化され、「中医学」といわれています。
 これと区別するとき、日本の漢方は、「日本漢方」と言われます。

 約2000年前にできたものですから、病気や薬の考え方は、古代中国思想の影響を受けており、
 西洋医学とはまったく異なります。
 また、長い時間を経て人体で試されていますので、悪いものは取り除かれており、西洋医学の薬と比べ、
 副作用などはほぼありません。
  (しかしながら薬なので、不適切な使用による副作用、アレルギー反応による副作用など全くないわけではありません。)

(2)未病
  
  西洋医学では、検査で異常がなければ病名がつかず、場合によっては「気のせい。」「治しようがない。」となってしまいます。
 しかし漢方では、症状がなくても体のバランスが乱れていれば、「未病」と呼んで、病気になる前に乱れを治療します。
 
(3)

  漢方では、西洋医学のように「病名」によって一律に薬を処方するのではなく、
 その人の症状と経過、体調や全身の状態を総合的に見て、その人にあった薬を出すという処方をします。

  このため、同じ症状でも、人によっては処方される薬は、異なります。

 たとえば、頭痛でも、体格ががっしりしているのか痩せているのか、のぼせているのか、
 吐き気がするのか、いつ痛むのかなどによって変わります。

  このような状態を区別するために、陰陽、虚実、寒熱、表裏という考え方をします。

  たとえば、体温が高い、顔が赤い、暑がりは、陽の証、体温が低い、顔が青白い、寒がりは、
 院の証として見ます。また、筋肉質・がっしりした体格、つや光沢のある皮膚は、実の証
 痩せ型・ぶよぶよした体格、つや光沢のない皮膚は、虚の証になります。

 また、五行説(万物は木火土金水からなりたっているという説)と同様に、人体にも五行の調和があるとして、
 五行に五臓の肝・心・脾・肺・腎などを各々に割り当てて、人体の働きの、相生関係・相剋関係で説明しています。
 
 相性関係は、相手によい影響を与えたり、与えられたりする関係を、
 相剋関係は、相手の働きを抑えたり、抑えられたりする関係をいいます。

 五行では、「木は燃えて火を生じ、火によって灰が生じ、灰は土になる。土から金が採取され、
 金のある山から、水が得られる。」という相生関係があり、
 「木は土を剋し、土は水を剋し、水は火を剋し、火は金を剋し、金は木を剋す。」(一つ先を剋する)という相剋関係があります。

 五臓にあてはめると、相生関係では「虚するときはその母を補せ。」ということから、肝が衰弱しているときは、肝を強めると同時に、
 その母である腎を強めれば直りが速くなり、またその子の心を強化すると肝は力を使わなくてすむので、より直りやすいとしています。、

 ほかの五味、五色(肌の色)、五志(怒喜などの思い)などにも、割り当てられ、診断に用いられている。

 ちなみに、五臓(肝、心、脾、肺、腎)、六腑(胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦)といいますが、
 たとえば肝や腎は、解剖学的な肝臓や腎臓ではないので、注意してください。

(4)

  「神農本草経」では、薬を、上薬・中薬・下薬に分けています。

 上薬は、効き目が穏やかで、毒性がなく、長期に摂取しても害がない生薬で、
 人参、甘草などです。食品として用いられるものがあります。

  下薬は、病気を治す力がつよく、毒が多いため長期には服用できない薬で、大黄や西洋医学の薬など
 が含まれます。

  中薬は、これらの中間で、毒のあるものないものがあり、病を抑え体力を補う薬で、麻黄、葛根などです。

(5)瞑絃

  慢性の病気が、漢方で治るとき、一時的に悪化することがあります。副作用か瞑絃かは、医師に見てもらいます。
(6)気・血・水

  陰陽では、気は陽、血・水は陰になります。気は、目には見えないが人体のエネルギー源となる物質で、
 体を巡っていて、血や水を動かす原動力としています。

  気は、さらに先天の気と後天の気に、後天の気は水穀の気と大気の気が結びついてできたものと考えられています。

 先天の気は、生まれつき父母から受け継がれた「生命エネルギー」で、腎に貯められます。水穀の気は、食物を
 消化吸収して得られる気を、大気の気は呼吸によって得られる気をいいます。

  血は、血液のことで、水は、体内のすべての水分のことで津液ともいいます。

(6)経絡

   気の流れる道筋が経絡ですが、解剖学的には存在せず、機能的なつながりと考えられています。
  経穴(ツボ)は、経絡上にある気の溜まり場です。線路にたとえると、線路と駅の関係になるといわれています。

  ツボを、鍼や指圧で刺激して、気の流れを活発にします。



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